モルタル外壁からの雨漏りの原因について解説!対策や修理方法も紹介
2024/09/05
モルタル外壁は、ひび割れしやすいことから、雨漏りの原因になりやすいと言われています。モルタル外壁のひび割れを見つけたらどうすべきなのか。モルタル外壁が原因と思われる雨漏りの修理方法について解説します。
モルタル外壁とは
モルタル外壁は一昔前の住宅の外壁によく用いられていました。現在では、窯業系サイディング材が一般的ですが、画一的な工業生産品の外壁材とは違った味わいのある外壁として、モルタル外壁が見直される動きも出ています。
モルタル外壁の構造
モルタル外壁は左官職人が現場で作る湿式工法の外壁です。モルタル外壁を作る際は次のような手順になります。
①木摺を張り付ける
木摺と呼ばれる幅30ミリ程度の細い板を柱と柱の間に水平に打ち付けて、外壁の下地を作ります。
② 防水シートを張り付ける
木摺の上に防水紙シートまたは透湿防水シートを隙間なく張り巡らします。この防水シートが建物の内部に雨水が染み込むことを防ぐ最後の防波堤になります。
③ラス網を張り巡らす
ラス網とは金属製の網状の部材で、外壁に塗りつけたモルタルを引っ掛けて固定する役割を果たしています。
④モルタルを塗る
ラス網にモルタルを塗っていきます。まず、下地のモルタルを塗り、2回目に上塗りする流れになります。
注意したいのは、外壁用モルタルには基本的に防水性能がないことです。そのため、次の塗装工事も必須になります。
⑤モルタル外壁の塗装
モルタル外壁の仕上げとして、モルタル用の塗料を吹き付けて、仕上げとなります。
塗料は、下塗りにシーラー、上塗りにアクリル樹脂系仕上げ塗料という組み合わせが多いですが、最近では、下塗りに微弾性フィラー、上塗りに水性アクリルシリコン樹脂塗料という組み合わせも増えています。
モルタル外壁はひび割れしやすい
モルタル外壁はひび割れしやすい外壁材です。
その理由は2つあります。
1つ目は、乾燥する過程でひび割れが生じやすいためです。
モルタルは、現場でセメントと砂と水を配合して練り混ぜて作ります。そのため、塗りたてのモルタルは水分を含んだ状態になっているわけですが、長い時間をかけてその水分が蒸発します。その過程で、モルタルが収縮し、ひび割れが発生しやすくなるわけです。
2つ目は、建物の揺れに柔軟に対応できないためです。
地震時に建物が揺れると外壁も柱の動きに合わせてわずかでも動きます。サイディング外壁などの場合は、一枚一枚のサイディングが揺れに合わせて横に動く形で揺れが逃げるので、大抵の場合問題ありません。
しかし、モルタル外壁の場合は、横揺れの影響をそのまま受けてしまい、ひび割れを生じさせてしまうことがあります。
外壁の揺れは、地震だけでなく、道路に車が通るだけでも生じます。交通量の多い道路に面していて、しかも大型車が頻繁に通過して、建物が揺れやすい環境だと、モルタル外壁もひび割れが発生しやすくなります。
モルタル外壁のひび割れは雨漏りの原因になる
モルタル外壁のひび割れがひどくなると、建物内部に雨水が染み込むため、雨漏りの原因になります。モルタル外壁のひび割れの状態は、次のように分類されます。
ヘアークラック
幅が0.3mm以下のひび割れは、髪の毛ほどの細さであることからヘアークラックと呼ばれています。
ヘアークラック程度であれば、雨水がどんどん染み込む状況にはないため、基本的に経過を観察しても問題ありません。
例えば、単独ひび割れで長さが短ければ、気にする必要はありません。
ただ、複数のひび割れが合わさっている場合や長い場合は、発生部位や仕上げに適した方法で塞いだほうが良いです。
構造クラック
幅が0.3mmを超えるクラックを構造クラックと言います。これだけの隙間があると、雨水を通しやすい状況になっているので、雨漏りの原因となることがあります。
放置すると、ラス網を腐食させてしまい、モルタル外壁が剥がれ落ちる危険もありますし、柱や梁などの外壁の構造体を腐らせてしまう可能性もあります。
錆が出ているクラック
モルタル外壁に生じたクラックからサビ汁が流れ出ていて、外壁にこびりついている場合は、すでに内部に雨水が染み込み、ラス網が錆びている証拠です。
このまま放置すると、モルタル外壁の剥落につながるため、早急に補修工事を行うべきです。
▷外壁からの雨漏りはどこから?雨水の侵入場所と対処法について
ヘアークラックと構造クラックの見分け方
専門家は、専門の物差しにより、クラックの幅を測って、どちらに該当するか判断します。
一般の方がどちらに該当するのかを判断するには、遠くから見ても、モルタル外壁にひび割れがあることがわかる状況なら構造クラック、近くで観察して、ここにひび割れがあると気づく程度ならばヘアークラックと判断するとよいでしょう。
ヘアークラックでも、そのまま放置した場合、いずれはひび割れが広がることもあるため、気になる場合は早めに専門家に確認してもらうべきです。
モルタル外壁でひび割れが発生しやすい箇所
モルタル外壁で特にひび割れが発生しやすい箇所があるので、建物を点検するときは下記の箇所をよく観察してください。
窓サッシやドア等の開口部まわり
モルタル外壁でひび割れが発生しやすい箇所は、窓サッシやドア等の開口部まわりです。
開口部になっているという構造上、モルタル外壁の強度が弱いですし、窓やドアを開け閉めする際の振動が伝わりやすいためです。
窓サッシにつながる形でクラックが生じている場合は、窓サッシからの雨漏り原因の一つにもなります。
建物中央部
建物中央部に広めの壁がある場合も、意外にひび割れが発生しやすく、亀の甲のような形のひび割れが生じることがあります。
広範囲にひび割れしているケースも有るため、早めに補修すべきです。
増築部分
建物を増築し、モルタル外壁でつなげている場合は、増築部分の境目にひび割れが生じやすいです。
モルタル外壁のひび割れ補修方法
モルタル外壁のひび割れを補修する方法は、それほど難しくありません。
ひび割れしているところに、シーリング材を埋めて塞ぐだけです。具体的な工法としては次のようになります。
- モルタル外壁のひび割れが生じている部分をV字かU字に削る。
- 削った部分に接着剤の役割を果たすプライマーを下塗りする。
- シーリング材を打つ。
- その上にモルタル材を塗りつけて、補修跡を目立たなくする。
- 外壁を全面的に塗装する。
DIYでもできそうに見えますが、確実に雨漏りを止めるには、雨漏り専門業者に依頼したほうが良いです。DIYでのモルタル外壁の補修はあくまでも応急措置に過ぎないと考えてください。
モルタル外壁のひび割れ以外の雨漏り原因
モルタル外壁のひび割れだけが雨漏りの原因とは限りません。モルタル自体には防水性能がないことから、塗膜の劣化などが雨漏りの原因となることがあります。
次のような症状がある時は、雨漏りが起きている可能性があります。
モルタル外壁の色あせ
モルタル外壁が色あせていても直ちに雨漏りにつながるわけではありません。
ただ、モルタル外壁の仕上げ材や塗膜が劣化している状況にあることは間違いなく、防水性能が失われつつあるということです。
モルタル外壁自体には、防水性能がないので、再塗装するなどして、防水性能を回復させる必要があります。
モルタル外壁の苔・藻
日当たりが悪く湿気が多い場所だと、モルタル外壁に苔・藻がこびりつくことがあります。外壁の色あせと同様に直ちに雨漏りにつながるわけではありませんが、モルタル外壁の仕上げ材や塗膜が劣化している証拠です。
早めに再塗装するなどして、防水性能を回復させる必要があります。
モルタル外壁に剥がれ・浮きがある
モルタル外壁の仕上げ材が剥がれたり、塗膜が浮いている状況になっている場合は、すでに内部のモルタルに雨水が染み込んでいる可能性があります。
室内で雨漏りが生じていなくても、モルタル自体は、雨水によるダメージを受けている状況なので、直ちに補修工事を行う必要があります。
モルタル外壁にビスや釘を打ち込んでいる場合
外壁に配管を回すために、モルタル外壁にビスや釘を打ち込むことがあります。わずかでも穴が空いている状態ですから、その隙間から雨水が染み込んでいる可能性があります。
モルタル外壁に限らず、外壁にビスや釘を打ち込む際は、防水措置を講じます。
具体的には、まずドリルで下穴を開けた後、その穴にシーリング材を充填し、その後で、ビスや釘を打ち込みます。さらに、ビス頭や釘頭の上にシーリング材を充填します。
このように二重にシーリング材を充填することで雨水の侵入を防ぐわけですが、この手順を怠った場合は、雨水が染み込みやすくなってしまいます。
まとめ 東大阪市でのモルタル外壁の雨漏り修理は雨もり屋へご依頼ください
雨もり屋は、東大阪市を主な営業地域とし、地域密着で雨漏り修理を行っている職人直営店です。これまで1,000件以上の雨漏りを解決して来ましたが、いずれの現場でも、本当に雨漏り修理に必要な費用だけで工事を実施し、お客様にご満足いただいています。
モルタル外壁の雨漏り修理の実績も多数あるので、雨漏りの原因としてモルタル外壁を疑っているなら、雨もり屋へご相談ください。
モルタル外壁の点検はもちろん、ほかの個所が雨漏りの原因と考えられる場合も、雨漏り調査を行い、必ず原因を突き止めて、雨漏りを止めるために必要な工事を提案させていただきます。
東大阪市での雨漏り修理のことなら、どんなことでも雨もり屋へご相談ください。
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