瓦屋根は、約50年の寿命があり、ほぼメンテナンスフリーの屋根材であるところに惹かれて、瓦屋根を採用された方も多いのでないでしょうか?

確かに、瓦自体はとても耐久性が高く、一生モノと言っても過言ではありません。しかし、瓦屋根を構成する野地板や防水シート(ルーフィング)などの下地材や棟の漆喰はそれほどの耐久性はありません。約20年が経過した際にメンテナンスが必要になります。

瓦屋根といっても、瓦以外の部分のメンテナンスを怠ると、雨漏りが発生しやすくなります。また、屋根の形状によっては、雨漏りが発生しやすいこともあります。

この記事では、瓦屋根の雨漏り発生原因と修理方法を紹介していきます。

瓦屋根は雨漏り修理不要の屋根材ではない

現在の住宅で多く利用されている屋根材は次の3つです。

  • 化粧スレート
  • 金属屋根
  • 瓦屋根

化粧スレートは、セメントと繊維を固めたもので、素材自体の耐水性は低いですが、塗装を施すことにより、耐候性を発揮しています。そのため、再塗装により長持ちさせることもできますが、15年ほどでメンテナンスが必要です。

金属屋根は文字通り、金属素材の屋根で、現在ではガルバリウム鋼板が使われることが多いです。鉄板にアルミニウム、亜鉛、シリコンでメッキしたもので、昔の住宅でよく使われていたカラー鉄板(トタン)と比べると錆にくく、耐候性や耐久性も高いです。ただ、海が近いなどの条件により、錆やすくなることもあるのでメンテナンスが必要です。

瓦は、最も耐久性の高い屋根材です。瓦自体は雨水を吸うことはないですし、塗装の必要もなく、サビる心配もありません。耐用年数は50年以上とも言われ、瓦を葺けば、メンテナンスフリーと考える方も多いと思います。

確かに、シンプルな形状の屋根なら雨漏りは発生しにくいですが、複雑な形状だと、瓦屋根でも雨漏りが発生しやすくなります。また、屋根の形状に関わらず、漆喰の劣化は、瓦屋根特有の雨漏り原因です。

複雑な形状の瓦屋根は雨漏りが発生しやすい

屋根はシンプルな形状ほど、雨漏りに対して強くなります。
屋根の形状としては、寄棟、切妻、入母屋、片流れ、方形、陸屋根などがありますが、瓦屋根を使う場合に最もシンプルなのは、切妻です。

切妻は、中心の棟から両側に屋根が流れる形状です。雨水も両側に流れるだけですから、屋根に水が集まる場所もなく、雨漏りに対しては最も強いと言えます。

ただ、複雑な間取りを採用した結果、建物の形がL字型になったり、1階は広く2階が狭い場合は、1階の上に屋根(差し掛け屋根)が必要になることもあります。

瓦屋根に多い雨漏りの発生箇所・原因・修理方法

ここでは、瓦屋根に当てはまる「雨漏りの原因となりやすい箇所」をご紹介します。

谷部分

建物の形がL字型の場合は、谷部分が生じます。谷部分には、2つの屋根から雨水が集まるため、しっかりとした防水対策を講じなければ、雨漏りの原因となりやすいです。

谷部分には、瓦ではなく、谷板金が用いられるのが一般的です。金属なので、歳月の経過と共に錆が発生し、穴が開いてしまうこともあります。その穴が雨漏りの原因となるわけです。

また、谷部分は、雨水だけでなく、ゴミもたまりやすい箇所です。強風などで屋根に木の葉などがたまったり、カラスがゴミを落としていったりすることもあります。こうしたゴミが谷部分に集まり、更に、ゴミが固まって流れなくなり、ダムのような状態になってしまうと、雨水がたまったままになり、瓦の隙間から雨水が浸み込んで雨漏りの原因になってしまいます。

谷部分の雨漏り修理方法

谷板金が錆びて穴が開いている場合は、小さいものであれば、補修テープやシーリング材により穴を塞ぐこともできます。ただ穴が広範囲に空いていたり、錆の進行が深刻な場合は、部分補修ではなく交換が必要です。

谷板金は20年程度で寿命になるので、新築時から20年経過しているなら点検が必要です。

▷参考記事:屋根で最も雨漏りしやすい?!谷板金の役目やメンテナンスについて

屋根と壁の取り合い

取り合い

1階の面積が広く2階が狭い場合は、1階の上に屋根(差し掛け屋根)が必要になります。この1階の屋根と2階の外壁の境目を取り合いと言いますが、雨水が浸み込みやすい箇所です。

屋根に注いだ雨水は、屋根を流れて雨樋に入るため、外壁に伝わらないようになっていますが、横殴りの雨だと、外壁にも雨水がかかり、下に流れていきます。2階の外壁を伝わった雨水が、取り合いの部分に流れるため、雨漏りが発生しやすいわけです。

その対策として、建物内部に雨水が浸み込まないように、施工時には、防水シート(ルーフィング)を立上り出隅部に300mm立ち上げて、更に、外装としては、水切り板金を設置したうえで、のし瓦を積んでいるのが一般的です。

歳月と共に劣化しやすい部分なので、こうした雨仕舞が十分に機能しなくなると、雨漏りの原因箇所になりやすいです。

取り合いの雨漏り修理方法

取り合いが原因の雨漏りは、新築時から20年以上経過している場合に生じやすいです。

外壁も一旦剥がして、防水シート(ルーフィング)を張り直す必要があるので、屋根瓦だけでなく、外壁も含めた全面的なリフォームを検討する必要があります。

棟の漆喰

最もシンプルで雨仕舞がよいのは切妻ですが、切妻の瓦屋根でも、雨漏りと無縁ではありません。切妻の瓦屋根で雨漏りの発生場所となりやすいのが天辺の棟部分です。

瓦の形状の都合により、棟部分と両側に流れる瓦の境目には、半月状の隙間が生じてしまいます。
この部分を露出させたままだと、棟から流れる雨が浸み込んだり、横殴りの雨で雨水が浸み込んでしまい雨漏りの原因となってしまいます。

そこで、施工時に、棟部分の下地で防水シート(ルーフィング)を各方向共に300mm重ね張りをした上で、瓦を葺いた後で半月状の隙間を漆喰によって埋めるという対策を取っています。

ただ、漆喰は瓦のように長持ちするわけではありません。

雨風に晒され、直射日光を浴び続け、寒暖差の影響により、歳月と共に劣化して、ボロボロになって、剥がれやすくなります。劣化した状態で、台風などの強風にさらされた場合は、漆喰が剥がれてしまい、下地が露出した状態になり、雨水が浸み込みやすくなります。

瓦自体の寿命は50年以上と長いですが、漆喰の寿命は20年程度と言われています。そのため、瓦屋根でも20年をめどに漆喰の補修を行わなければ、せっかくの耐久性が発揮できなくなってしまいます。

棟の漆喰の雨漏り修理方法

棟の漆喰が剥がれていることが確認出来たら、漆喰の詰め直しにより雨漏りを防ぐことができます。

新築時から20年を目安に雨漏りが発生していない場合でも、漆喰の状態を確認し、漆喰の詰め直し工事を行っておけば、低コストでメンテナンスが可能です。

雨漏りが発生してから漆喰の剥がれに気付いた場合は、漆喰だけでなく、下地も劣化していることが考えられるため、雨漏り修理のコストは高くなってしまいます。

雨もり屋でおこなった漆喰工事の施工実績

東大阪市にて雨漏り修理〈漆喰工事〉

東大阪市にて雨漏り修理〈漆喰工事〉

瓦のズレや浮き

瓦自体は、耐久性が高く、雨水を通すことはありません。

現在、瓦を採用する住宅の多くは、野地板を敷いた上に防水シート(ルーフィング)を張り巡らし、桟木を横に巡らせて、この桟木に瓦を引っかける形で重ね合わせる形で施工されています。(引掛桟葺き工法)

このように敷き詰められた瓦が一つでもずれてしまうと、隙間が生じて、その隙間から雨水が浸み込むようになります。
震度の強い地震や台風などの強風の後は、瓦のズレや浮きが生じやすくなります。

瓦のズレや浮きによる雨漏りの修理方法

瓦のズレや浮きが原因で雨漏りが生じている場合のメンテナンス方法は、ずれた瓦を元の位置に戻すだけで対応できます。瓦は1枚ずつ引っかけているため、部分的な補修もできる点が瓦屋根の利点です。

ただ、新築時から20年以上経過していれば、防水シート(ルーフィング)等の下地材も劣化している可能性が高いので、全面的な屋根リフォームも検討すべきです。

瓦の割れ

瓦は、茶碗と同じですから、強い衝撃を受けると割れてしまうことがあります。
台風などの強風により、飛来物が瓦に激突して割れてしまうと、割れた部分から雨水が浸み込むようになります。

また、テレビのアンテナが倒れたことで割れてしまうこともありますし、物がぶつからなくても、凍み割れと言い、冷害によって割れてしまうこともあります。大きな雹(ひょう)が降って瓦屋根に激突して割れてしまうこともあります。

瓦の割れによる雨漏りの修理方法

瓦のズレや浮きと同じく、割れた瓦のみ修理することで対応できます。
割れた瓦の破片がきれいに残っていれば、パテやテープで割れた瓦をくっつける形での補修も可能ですが、耐久性は落ちます。

そのため、同じ瓦を入手して差し替えしてしまうのが理想です。全く同じ瓦がない場合は、似たような瓦で代用することもできます。

防水シート(ルーフィング)の劣化

瓦がズレたり、割れたり、あるいは、漆喰が剥がれても、すぐに雨漏りが生じるようになるわけではありません。
瓦の下には、野地板の上に防水シート(ルーフィング)が張り巡らされているためです。仮に瓦に不都合があっても、瓦の隙間から仕込んだ雨水は、防水シート(ルーフィング)を伝って、軒先から流れ出ます。

しかし、防水シート(ルーフィング)も歳月と共に劣化するため、瓦に問題が生じるようなころには、十分な性能を発揮せず、雨漏りが生じやすくなります。防水シート(ルーフィング)の耐用年数は約20年とされているので、瓦本体に問題はなくても、やはり、20年程度経ったらメンテナンスを考えましょう。

雨漏りがひどい場合は、一旦瓦を剥がして、野地板の状態を確認し、防水シート(ルーフィング)を張り直す形で全面的な屋根のリフォームが必要です。

▷参考記事:雨漏り防止の強い味方!ルーフィング(防水シート)の種類と特長

葺き土の流出

葺き土

古い住宅の瓦屋根では、屋根全体に床土(葺き土)を敷き詰めた上で、屋根瓦を葺いて行く土葺き工法を用いていることがあります。
土葺き工法の瓦屋根だと、床土が防水シート(ルーフィング)の代わりの役割を果たしています。

ただ、歳月と共に、床土が流出して、下地の板に雨水が到達するようになると、雨漏りが発生する原因になります。

土葺き工法の屋根瓦は、屋根が非常に重くなるため、耐震性の面で不利ですし、現在では施工されていません。雨漏りが生じるようになったら、屋根の全面的な軽量化リフォームを検討してください。

まとめ 東大阪市での瓦屋根の雨漏り修理は雨もり屋へご依頼ください

東大阪の雨漏り修理は雨もり屋へ

東大阪市を主な営業地域とし、地域密着で雨漏り修理を行っている雨もり屋は、これまで1,000件以上の雨漏り解決の実績があります。職人直営店のため、中間マージンや余分な経費が掛からず、低価格、適正価格で雨漏り修理を行い、好評をいただいております。

瓦屋根の雨漏り修理実績も豊富にあり、特に面戸漆喰を用いた漆喰工事を数多く手がけて来ました。雨漏り発生リスクを抑えるための漆喰の塗り方にはコツがありますが、その点を熟知している職人が施工しますので、雨漏りを確実に止めることができます。

また、瓦屋根の雨漏り修理だけでなく、クロスの張替えなどの内装工事や大工工事を行って、室内の雨染みやカビを失くしたり、ベランダ防水や水回りの修理も行うなど、雨漏り関係の様々な修理にも迅速に対応しております。

東大阪市での瓦屋根の雨漏り修理は雨もり屋へご依頼ください。

地域密着で対応しているので、ご連絡を頂いたらすぐに、お客様の下へ駆けつけさせていただきます。そして瓦屋根の雨漏り発生場所を正確に突き止め、雨漏り修理を行い、お客様の快適な生活環境を取り戻します。